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斎藤貞一郎
さいとうていいちろう
昭和23年生まれ。慶応大学法学部卒業後、家業に携わる。7年前、7代目を継承。利休の美学に惹かれ、茶道を嗜む。生活の中に根差した着物の提案を続け、執筆活動も行っている。
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着物をトータルにコーディネイトするデザイナーズブランドといった感じでしょうか。お客様とデザインの打ち合わせをしてから製作に取り掛かるので、完成までに最低でも3ヶ月以上はかかります。柄の大きさや帯の位置など、作品としての美しさだけではなく、着る人がよりきれいに見えるものを心掛けてます。その分たくさんは作れないので、ある意味すごく範疇が狭いですねえ。
昔はそういう店がほとんどだったんですが、今ではうちだけになってしまいました。着物の需要が多かったときに、効率を良くする為に分業化が進んだんです。けれど、1度人材やノウハウを手放してしまうとなかなか取り戻すことは出来ないですから…。今は、うちが個性的だと言われるようになってしまいましたが、ただ昔のやり方を変えなかっただけなんですよ。でも、人生ってこんなものかもしれないなって思うんです。
延々と築いてきたものを無くすのは簡単です。店も「やめた」と言ったら簡単に終わってしまいますし、100年以上前からあった建物も、1日でさら地になってしまいますからね。京都は、行政の側に残したいという思いが少ないのではないでしょうか。フィレンツェでもパリでも、持っているものがいかに大切か分かっているから、私財投げ売ってでも守ろうとしてるんです。維持・発展の方法を考えていかなければ…。日本はヨーロッパに比べて、文化に対する考え方が幼いと言えるかもしれません。それとも、日本にあった、はかなさの思想が影響しているのでしょうか…。
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